職場円満プロジェクト

2012年10月05日

「中間管理職のための、人を動かすビジネス・コミュニケーション術」<第1回>

上司と部下の板ばさみになりながら、自分自身とチームの業務目標を達成しなくてはならない中間管理職。多くの企業では、こうしたプレイングマネジャーが多忙を極めており、その疲弊感が問題視されている・・・

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 上司と部下の板ばさみになりながら、自分自身とチームの業務目標を達成しなくてはならない中間管理職。多くの企業では、こうしたプレイングマネジャーが多忙を極めており、その疲弊感が問題視されている。理由の一つとして、日常業務で手いっぱいであるため部下とのコミュニケーションが後回しとなり、ミスやトラブルを未然に防げないことからさらに業務が増えるという悪循環がある。これを打開する方策を、ブラマンテ株式会社代表取締役 田島弓子さんに伺った。

 

目的は部下の能力活性化と、チームの成長

 


田島さんプロフィール.png 仕事が人と人との関わりで成り立つ以上、コミュニケーションは業種や職種、ポジションを問わずに必要な「仕事力のインフラ」です。コミュニケーションといっても、その目的は親密な人間関係の形成ではなく、あくまで業務責任を果たすこと。私は目標達成のツールと捉えて、ビジネス・コミュニケーションと呼んでいます。
  

 

 

 中間管理職にはリーダーシップが不可欠だと考えている方は多いかもしれませんが、実はリーダーシップよりも大切なのはマネジャーシップだと私は考えます。なぜなら、自身が優秀であり、先頭に立って部下を引っ張っていくリーダータイプのマネジャーでは、部下が失敗したときに理解できず、プレッシャーを与えてしまい、チームとしての成長が見込めない場合があるからです。一方、マネジャーシップタイプとは、先頭ではなく自分も一緒に輪の中に入り、部下を見守りつつ、要所でフォローできるマネジャーです。部下に寄り添えるマネジャーは、彼らの能力を発揮させてベストなパフォーマンスを引き出していけます。それがチームとしての成長にもつながるのです。

 

 

 私自身、マイクロソフト日本法人で初めて管理職の立場となったときは、不安がいっぱいでした。最初は上司として見られることを意識しすぎて空回りし、部下をまとめられずに苦労しました。しかし、次第に信頼関係が築けるようになり、先頭で引っ張ることは苦手でも、輪の中に入りそれぞれのいい分をよく聞いて、対立した意見を調整したりしているうちにチーム全体が成長し、社長賞をいただくまでになりました。ここで、中間管理職には、上司と部下、部門間などでハブとなり調整力を発揮する、ハブ型マネジャーシップが有効であると学んだのです。

 

 

 そこで必須なのがビジネス・コミュニケーションです。たとえば、世代間や業務分野で異なる双方の価値観や主張を集約し、それぞれが理解しやすい表現で伝え直すというハブ的役割が、他部門に渡るプロジェクトを成功に導くことがあります。また、現場と経営層を行き交う情報の中には、双方に余分な動揺を与えないよう配慮が必要なものもあります。ビジネス・コミュニケーションは、こうした調整力の基礎を形成するのです。

 

業務タスクとして、コミュニケーションを仕組み化しよう

 

 

 コミュニケーション力を養うためには、まず部下を日々観察することが必要です。個性や考え方、仕事の進捗、つまずきやすいところなどなど。この"観察"こそがコミュニケーションの種であり、ミスやトラブルを防ぐ役割も果たすと覚えておいてください。

 

 

 また、「コミュニケーションをとる時間がない」という声を多く聞きますが、対処法としては、あらかじめ1日のうちの30分を部下と接する時間として確保する。1時間ごとに席を立ってようすを見るなど、コミュニケーションの時間をタスクとして業務に組み込んでいきます。すると、図表1のような好循環が生まれます。部下とのコミュニケーションが活性し、部下が自発的に動くようになれば、強制されて出す成果以上のものが得られることも、私自身は経験してきました。

 

 

図表1

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 人を動かすビジネス・コミュニケーションは、仕事を回していくためのスキルであり、誰でも磨いていくことができます。日ごろ追求している効率化や、見える化の延長線上で捉えてもいいかもしれません。
 

 

 

 先行きが不透明な現代においては、社員に漠然とした不安感などがあるため、今後ますますビジネス・コミュニケーション力が求められるようになるでしょう。昇進したばかりで戸惑っている方も、中間管理職として迷いが生じている方も、まずはコミュニケーションを業務の中で仕組み化することで、チームの変化を感じられるはずです。

 

 

 次回は、具体的な言葉かけについても触れていきます。

 

 

 

(この記事は2012年10月5日公開のものです。)


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