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2015年12月09日

マイナンバー対応が完了した企業は約40%

副業禁止規定のある企業では、副業発覚時に懲戒等の対処がなされるのは68%

企業のマイナンバー対応状況調査結果

 

副業禁止規定のある企業では、

副業発覚時に懲戒等の対処がなされるのは68%

 

マイナンバー制度の運用が2016年1月から開始される。すでに10月からマイナンバーの通知が行なわれているが、実際に社員や報酬の発生する関係者のマイナンバーを税務や社会保険で扱う企業の対応実態はどのようになっているのだろうか。民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股宏 東京都品川区)では、人事労務の専門情報誌『労政時報』のWEBサイト登録者を対象にした417社のマイナンバー実務調査結果を発表した。

 


 1.マイナンバーの収集に向けた事務の対応状況(2015年11月時点)

 

マイナンバーの収集に向けた事務の対応状況は、11月時点で39.6%の企業で

対応完了、59.2%で対応中。未対応はわずか1.2%

 

2015年11月11-18日の調査時点での 企業のマイナンバー収集事務の対応状 況を見ると、「対応中で、収集に向けた各 種整備を進めている」が59.2%で最も多 く、「対応はほぼ完了しており、後はマイ ナンバーを収集するだけ」が39.6%と約4 割を占めた[図表1]。 「まだ対応していない」のはわずか1.2%にとどまっており、各社とも2016年1月の 本格運用開始に向けて準備を進めている。

 

図表1マイナンバーの収集に向けた事務の対応状況 600pix.PNG <出典:一般財団法人 労務行政研究所>

 


2.実務面の課題

 

実務面での課題(複数回答)は、「マイナンバー収集・保管・廃棄」50.4%、

「安全管理措置」41.2%、「業務量の増大」40.0%

 

実務面ではどのようなことが課題になっているのか聞いたところ(複数回答)、「従業員やその家族のマイナンバー収集・ 保管・廃棄」が50.4%で、半数以上の企業が課題と回答した。以下、「組織的・人的・物理的・技術的などの安全管理措 置」41.2%、「事務手続きの変更に伴う業務量の増大」40.0%と続く。

 

図表2 実務面の課題.PNG

<出典:一般財団法人 労務行政研究所>

 


3.事務取扱担当者の人数

 

事業者は、マイナンバーを取り扱う事務の範囲および特定個人情報等の範囲を明確にした上で、マイナンバーを取り 扱う事務に従事する担当者(事務取扱担当者)を明確にしておく必要がある。

事務取扱担当者の特定状況では、「特定している」が92.8%と、ほとんどの企業で対応している[図表3]。さらに、具体 的な人数の回答があった173社における人数と分布を見ると、1社当たりの事務取扱担当者は規模計で平均8人、中位数 は4人であった。

 

規模別の傾向を見ると、当然ながら、規模が大きくなるほど担当者の人数が多くなることが分かる。最頻 値は1000人以上で「5 - 6人」21.1%、同300-999人が「3 - 4人」39.3%、同300人未満は「1-2人」55.0%となっている。  なお、パートタイマーなど非正規社員も含めた全従業員数に占める事務取扱担当者の割合では(単純平均)、1000人 以上が0.5%、300 - 999人が0.9%、300人未満が2.7%となっている。

事務取扱担当者1人にかかる処理人数 の負担は、1000人以上で200人、300-999人が111人、300人未満は37人となる。

規模が大きい企業のほうが事務取扱担 当者自体の人員は多いものの、担当者1人にかかる負担は規模の小さい企業よりも大きくなっている。

 

図表3 事務取扱担当者の人数.PNG <出典:一般財団法人 労務行政研究所>

 


4.教育・研修実施状況

 

マイナンバーの適正な取り扱いのために事務取扱担当者に教育・研修を

「実施した」企業は50.6%、「実施する予定」は38.6%

 

マイナンバーの適正な取り扱いのために、事業者は、1.事務取扱担当者の監督、2.事務取扱担当者の教育の措置を 講じなければならない。教育・研修状況について見ると、事務取扱担当者に教育・研修を「実施した」企業は50.6%、「実施する予定」は38.6%となっている。この両者を合計すると89.2%に上り、9割弱の企業で教育を「実施する」としている [図表4]。

 

また、マイナンバーの取り扱いに際しては、事務取扱担当者だけでなく、従業員の正確な理解とルールの遵守 が重要となる。従業員に教育・研修を「実施した」企業は35.9%、「実施する予定」の企業は26.0%で、両者を合計すると 61.9%となる。6割超の企業が従業員への教育を行うことが分かった。

 

図表4  教育研修実施状況.PNG

<出典:一般財団法人 労務行政研究所>

 

 


 5.制度対応に要した初期費用

 

マイナンバー制度への対応に要した初 期費用の総額(新たに人材を採用したなど の人員面の費用は除く)を尋ねたところ、 「10万円未満」が25.0%と最も割合が高く、 以下、「10万 - 50万円未満」20.2%、「50 万 - 100万円未満」16.6%と続く。全体の 61.8%が100万円未満となっている[図表 5]。

 

図表5 制度対応に要した初期費用 600pix.PNG <出典:一般財団法人 労務行政研究所>

 


 6.副業発覚時の対応

 

副業禁止規定がある企業は83.5%で、規定がある企業のうち、

副業発覚時に「極端な事案にだけ」「厳格に」対処するのは合わせて67.5%

 

マイナンバー導入により各人の所得が捕捉しやすくなり、「副業」の発覚も増えるといわれている(副業が発覚するのは、 マイナンバー制度が直接の原因ではなく、本業と副業の給与から算出された住民税額が自治体から勤務先に通知され、 住民税額が同じ給料を支払っている他の社員より高い場合、勤務先はその社員に副収入があると気づくことによる。ただ し、どこでどのように収入を得たのか所得増の原因まで知らされるわけではないので、勤務先は、あくまで副収入がある事 実を知るにとどまる)。

 

そこで就業規則に「副業禁止」の規定を設けているかを尋ねたところ、「副業禁止規定がある」企業は83.5%に達した [図表6]。申告すれば認める企業もみられたが、少なくとも“会社に無断で”副業を行うことは8割超の会社が禁止している。

 

さらに、副業禁止規定のある348社に対し、現実に副業が発覚した際の対処を聞いたところ、「極端な事案にだけ対処 する」が35.3%で最も多く、「副業を禁止している以上、厳格に対処する」は32.2%で僅差となっている。「検討中」は13.2%だった。

 

「極端な事案にだけ対処する」と「副業を禁止している以上、厳格に対処する」の両者を合わせると67.5%となり、約 7割の企業で副業が発覚すると、なんらかの対処がなされる可能性がある。

 

図表6 副業発覚時の対応.PNG<出典:一般財団法人 労務行政研究所>

 


 <調査概要>


□調査実施:一般財団法人 労務行政研究所

□調査時期:2015年11月11–18日(WEBアンケート)

□調査・集計対象:『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の

登録者から抽出した本社に勤務する人事労務・総務担当者の計2 万3177人。

集計対象は417社(1社1人)。

集計対象企業の内訳 単位(社)

集計対象社.PNG

 

回答者のマイナンバーの取り扱いにおける職務・役割:  単位(社)(%)

回答者役職.PNG

 


 

 一般財団法人 労務行政研究所

http://www.rosei.or.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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