コラムBOX

2013年11月18日

マネジメントに必要な法人税の基礎講座【第9回】

第9回(最終回) タダで行われた取引が益金になる!?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座

 

第9回(最終回) タダで行われた取引が益金になる!?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座
第9回(最終回) タダで行われた取引が益金になる!?
税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO
株式会社エム・ソリューション代表取締役 
公認会計士、税理士 村形 聡
法人税には、簿記や企業会計の常識が通用しないところがあります。
例えば、法人税法21条2項に、
「有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受け」に係る収益の額を益金とすることが定められています。
ここで、「おやっ?」と思うのは、「無償による取引」、つまりタダで行われた取引が益金になるって、どういうこと?ってことです。
実は、法人税では、法人がタダで何かをもらったりすると、「経済的利益」の供与を受けたものとされ、その利益に対しても課税されることとなっているのです。
「経済的利益」っていうのは、平たく言えば「あんた、それで得したでしょ。」という事です。そして、その「得した」部分にも税金かけることになっているのです。
でも、ちょっと待ってください!。無償の取引に「得しちゃった」という理由で課税するのなら、「いったい、いくら得したのか」っていう計算をしなければいけませんね。
勘のいい読者はお気づきでしょう。そうです。これまで、お話してきた「取引は時価で行われたとみなす」という大原則が、ここでも登場するのです。
例えば、タダでもらった車の時価が200万円だったら、その200万円が所得になるわけです。そして、「経済的利益の供与」ということで言えば、タダで物品をもらったような場合だけではなく、前回もお話した「低廉譲渡」を受けた場合も、これに当たります。
さらに知っておいていただきたいのは、法人税に限って言えば、法人から経済的利益を供与する場合にもややこしい問題があるということです。
典型的な例としては、法人が役員に対して無利息貸付を行なっているケースです。この貸付について、正式な契約書が作成されていて、その中で無利息であることが明記されていたとしても、税はこれを認めてくれません。市中の金利水準から計算した利息相当額を受け取ったものとして、その受取利息を益金として課税をするのです。
その背景にある考え方は、「株式会社というのは、営利を目的として法人格を認められている存在である以上、非営利的な取引はあってはならない。」というものです。
ですから、「無利息貸付なんてものは認めるわけには行かない。たとえ契約の中で無利息と定められていたとしても、法人は、いったん正当な利息を受け取ったものとみなし、その利息を寄附した。」という考え方をされてしまうわけです。
多くの税務トラブルは、このような税法特有の考え方に対して、納税者が十分な理解をしていないことから起こります。そして、皆さんの側にいる税理士さんは、そんなややこしい税法に精通しているプロフェッショナルです。
「餅は餅屋」。税のトラブルで嫌な思いをする前に、是非ともプロにご相談ください。
<編集部より>
9回に渡ってお届けした村形聡さんの「マネジメントに必要な法人税の基礎知識」は、
今回でいったん終了となります。税金や税務監査についてのご不明点やご不安がございましたら、あれこれ悩む前にぜひ村形さんにご一報してみてください。

 

税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

公認会計士、税理士 村形 聡

 

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法人税には、簿記や企業会計の常識が通用しないところがあります。


例えば、法人税法21条2項に、

「有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受け」に係る収益の額を益金とすることが定められています。


ここで、「おやっ?」と思うのは、「無償による取引」、つまりタダで行われた取引が益金になるって、どういうこと?ってことです。


実は、法人税では、法人がタダで何かをもらったりすると、「経済的利益」の供与を受けたものとされ、その利益に対しても課税されることとなっているのです。


「経済的利益」っていうのは、平たく言えば「あんた、それで得したでしょ。」という事です。そして、その「得した」部分にも税金かけることになっているのです。


でも、ちょっと待ってください!。無償の取引に「得しちゃった」という理由で課税するのなら、「いったい、いくら得したのか」っていう計算をしなければいけませんね。


勘のいい読者はお気づきでしょう。そうです。これまで、お話してきた「取引は時価で行われたとみなす」という大原則が、ここでも登場するのです。


例えば、タダでもらった車の時価が200万円だったら、その200万円が所得になるわけです。そして、「経済的利益の供与」ということで言えば、タダで物品をもらったような場合だけではなく、前回もお話した「低廉譲渡」を受けた場合も、これに当たります。


さらに知っておいていただきたいのは、法人税に限って言えば、法人から経済的利益を供与する場合にもややこしい問題があるということです。


典型的な例としては、法人が役員に対して無利息貸付を行なっているケースです。この貸付について、正式な契約書が作成されていて、その中で無利息であることが明記されていたとしても、税はこれを認めてくれません。市中の金利水準から計算した利息相当額を受け取ったものとして、その受取利息を益金として課税をするのです。


その背景にある考え方は、「株式会社というのは、営利を目的として法人格を認められている存在である以上、非営利的な取引はあってはならない。」というものです。


ですから、「無利息貸付なんてものは認めるわけには行かない。たとえ契約の中で無利息と定められていたとしても、法人は、いったん正当な利息を受け取ったものとみなし、その利息を寄附した。」という考え方をされてしまうわけです。


多くの税務トラブルは、このような税法特有の考え方に対して、納税者が十分な理解をしていないことから起こります。そして、皆さんの側にいる税理士さんは、そんなややこしい税法に精通しているプロフェッショナルです。


「餅は餅屋」。税のトラブルで嫌な思いをする前に、是非ともプロにご相談ください。

 

終わり



<編集部より>

全9回に渡ってお届けした村形聡さんの「マネジメントに必要な法人税の基礎知識」は、

今回でいったん終了となります。税金や税務監査についてのご不明点やご不安がございましたら、あれこれ悩む前にぜひ村形さんにご一報してみてください。


 

<関連情報>

第1回 法人税の仕組みとは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/02/1.php


第2回 税務上の「寄附金」とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/09/post-14.php

 

第3回 税金を追徴されるケース

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/17/-3.php

 

第4回 会社が税務調査官からどのように見られているのか

 http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/23/post-15.php

 

第5回 税務調査の「お土産」とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/30/-5-1.php

 

第6回 「取引価格」と「時価」のギャップ

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/07/post-16.php

 

第7回 同族間の「取引価格」はどのように判断されるか?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/15/7.php

 

第8回 「低廉譲渡」という問題

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/11/post-17.php

 

 


<著者プロフィール>

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村形 聡


税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士、税理士。


大手監査法人にて銀行、証券会社、専門商社、製造業、ホテル業、建設業、ゴルフ場など幅広い分野にわたる会計監査に従事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気にする税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング、企業のターン・アラウンドに関するコンサルティング業務、最近ではマーケティングに関するコンサルティングにも力を注いでいる。


税理士法人ゼニックス・コンサルティング

http://www.xenix.com/


村形聡氏ブログ

http://ameblo.jp/xenix/

 

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