コラムBOX

2013年10月15日

マネジメントに必要な法人税の基礎講座 【第7回】

第7回 同族間の「取引価格」はどのように判断されるか?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座

 

第7回 同族間の「取引価格」はどのように判断されるか?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座
第7回 同族間の「取引価格」はどのように判断されるか?
税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO
株式会社エム・ソリューション代表取締役 
公認会計士、税理士 村形 聡
特別な利害関係が無い者同士が、お互いに合意をした合理的な取引価格であるのなら、それ
を、税務上も時価として認められなければおかしいというのが原則です。しかし、親子間と
か、親子会社間とか、同族関係者間とか、そういう取引の場合には、経済的な合理性を無視
した不自然な価格で取引が行われる恐れを否定できません。
「お父ちゃんの土地、俺にくれよ。」
「バカ野郎、タダでやれるか。」
「なんだよ、ケチ。」
とは言うものの、後でよくよく考えてみれば、あながち悪い話ではないかもしれません。
「相続税を払うくらいなら、安い値段で子供に土地を譲っておこう」
なんてことを考えつきそうです。
でも、これは相続税の回避行為になります。そして、そのような租税回避を防ぐために、時
価取引の原則は重要だってことになってくるわけです。
さて、ここで問題となるのが「相続税評価額」との関係です。皆さんもご存知の通り、税の
世界には、「時価」の基準値として「相続税評価額」という価格決定の方法があります。
例えば、「路線価」というものを利用して土地の評価額を計算したり、非公開株式の評価額
を計算する場合の計算方法が「財産評価基本通達」という行政規則に規定してあります。
この「相続税評価額」と、本来の時価である「客観的交換価値」の関係がよくわかりません
結論から言うと、時価としては、あくまでも「客観的交換価値」が優先されます。つまり、
「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立すると認められる価額」で
取引を行なったのであれば、それが相続税評価額と違っていても問題にはならないというの
が基本です。
そもそも、「財産評価基本通達」は、法令ではありません。法令で無いということはどうい
うことかと言えば、正式な立法機関の決議を必要とせずに、容易に改訂できてしまうという
ことですから、唯一絶対的な評価方法とするには、法制度上の問題がたくさんあるのですね
ですから、法律の条文に明記されている「時価」こそが優先されなければなりません。例え
ば、相続税評価額が仮に2億円と計算されたとしても、とても2億円では買い手がつきそうも
ないという土地があった場合、実際に売れるであろう値段が2億円を下回っているということ
を、きちんと説明できるのであれば、2億円を下回る値段で取引を行なっても問題になること
は無く、相続税評価額に縛られる必要は無いわけです。
形が悪かったり、道路付けが悪かったり、傾斜していたり、高圧線の真下だったり、色々な
事情で売りにくい土地というのは少なくありません。安いなら、安いという理由をきちんと
説明することが肝心です。

 

税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

公認会計士、税理士 村形 聡

 

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特別な利害関係が無い者同士が、お互いに合意をした合理的な取引価格であるのなら、それを、税務上も時価として認められなければおかしいというのが原則です。しかし、親子間とか、親子会社間とか、同族関係者間とか、そういう取引の場合には、経済的な合理性を無視した不自然な価格で取引が行われる恐れを否定できません。


「お父ちゃんの土地、俺にくれよ。」

「バカ野郎、タダでやれるか。」

「なんだよ、ケチ。」


とは言うものの、後でよくよく考えてみれば、あながち悪い話ではないかもしれません。

「相続税を払うくらいなら、安い値段で子供に土地を譲っておこう」

なんてことを考えつきそうです。


でも、これは相続税の回避行為になります。そして、そのような租税回避を防ぐために、時価取引の原則は重要だってことになってくるわけです。


さて、ここで問題となるのが「相続税評価額」との関係です。皆さんもご存知の通り、税の世界には、「時価」の基準値として「相続税評価額」という価格決定の方法があります。例えば、「路線価」というものを利用して土地の評価額を計算したり、非公開株式の評価額を計算する場合の計算方法が「財産評価基本通達」という行政規則に規定してあります。

この「相続税評価額」と、本来の時価である「客観的交換価値」の関係がよくわかりません


結論から言うと、時価としては、あくまでも「客観的交換価値」が優先されます。つまり、「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立すると認められる価額」で取引を行なったのであれば、それが相続税評価額と違っていても問題にはならないというのが基本です。


そもそも、「財産評価基本通達」は、法令ではありません。法令で無いということはどういうことかと言えば、正式な立法機関の決議を必要とせずに、容易に改訂できてしまうということですから、唯一絶対的な評価方法とするには、法制度上の問題がたくさんあるのですね


ですから、法律の条文に明記されている「時価」こそが優先されなければなりません。例えば、相続税評価額が仮に2億円と計算されたとしても、とても2億円では買い手がつきそうもないという土地があった場合、実際に売れるであろう値段が2億円を下回っているということを、きちんと説明できるのであれば、2億円を下回る値段で取引を行なっても問題になることは無く、相続税評価額に縛られる必要は無いわけです。


形が悪かったり、道路付けが悪かったり、傾斜していたり、高圧線の真下だったり、色々な事情で売りにくい土地というのは少なくありません。安いなら、安いという理由をきちんと説明することが肝心です

 

第8回に続く

 

<関連情報>

第1回 法人税の仕組みとは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/02/1.php


第2回 税務上の「寄附金」とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/09/post-14.php

 

第3回 税金を追徴されるケース

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/17/-3.php

 

第4回 会社が税務調査官からどのように見られているのか

 http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/23/post-15.php

 

第5回 税務調査の「お土産」とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/30/-5-1.php

 

第6回 「取引価格」と「時価」のギャップ

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/07/post-16.php

 

第8回 「低廉譲渡」という問題

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/11/post-17.php

 

第9回(最終回) タダで行われた取引が益金になる!?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/18/9.php

 


<著者プロフィール>

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村形 聡


税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士、税理士。


大手監査法人にて銀行、証券会社、専門商社、製造業、ホテル業、建設業、ゴルフ場など幅広い分野にわたる会計監査に従事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気にする税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング、企業のターン・アラウンドに関するコンサルティング業務、最近ではマーケティングに関するコンサルティングにも力を注いでいる。


税理士法人ゼニックス・コンサルティング

http://www.xenix.com/


村形聡氏ブログ

http://ameblo.jp/xenix/

 

最新刊「社長のための「非常識な会計」のルール」ご案内

http://www.mng-ldr.com/recommen/2013/09/09/post-18.php

 

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