コラムBOX

2013年09月09日

マネジメントに必要な法人税の基礎講座 【第2回】

第2回 税務上の「寄附金」とは?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座

 

第2回 税務上の「寄附金」とは?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座
第2回 税務上の「寄附金」とは?
税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO
株式会社エム・ソリューション代表取締役 
公認会計士、税理士 村形 聡
企業会計の利益計算と、税務会計の所得計算との間で違いがある典型的な例として、「寄附金」の取り扱いがあります。「寄附金」は、企業会計では当然に経費とされますが、税務会計では、損金とすることに制限があります。具体的に説明しましょう。
「寄附金」というのは、「寄付金、拠出金、見舞金などいずれの名義をもってするかを問わず、金銭その他の資産や経済的利益の贈与等をいい、反対給付のない支出」をいいます。
つまり、一般的な言葉で言えば「贈与」、見返りの無い支出のことです。
例えば、社員全員で初詣にいったときのお賽銭とか、政治団体への寄付とか、町内会主催のお祭りの協賛金などが、これに当たります。いずれも、本質的には、見返りを求めて行なう取引ではありませんね。
税の世界における所得計算では、収入金額から差し引いてよい経費は「必要経費」、つまり、収入の獲得に必要と認められる経費に限定したいという基本的な考え方があり、そういう意味からすれば、見返りの無い支出である寄附金は収入の獲得のために必要な経費とは呼べない性質があります。
しかも、このような支出をやみくもに必要経費として認めたとすると、法人税を払いたくない輩は、めったやたらと寄付をしまくって、法人所得を常に0とすることが可能です。
そんなこと、やらないって?いやいや、いざとなったらやるかもしれませんよ。だって、税金たくさん払ったって感謝されませんけど、近所の人に100万円プレゼントすれば、多少なりとも感謝されますから、もしかしたら、イイ事あるかもしれません。確率、低くないです。
だから、たくさん税金払うんだったら、お金を配った方がわずかばかりお得かもしれないってことになりますよね。それで、そんなことになると、法人税という制度そのものが崩壊しかねません。
そのため寄附金については、国や地方公共団体、財務大臣が公益性が高いと認めて特別に指定した公益法人に対するものを除いて、なるべく損金にできないようになっています。
詳しい計算は省略しますが、ほとんど損金にならないとでも覚えておいていただいて差し支えありません。
しかも、ここからが問題なんですが、
「いずれの名義をもってするかを問わず」ですから、思わぬ取引が、税務上の寄附金と認定されることがあるのです。
なかなかお金を払ってくれない得意先。詳しい事情を聞いたら、かなり気の毒な経営状況のようですから、哀れみの気持ちから、
「もう、いいよ。払わなくて。」と言ってあげたくなったとしても、これ寄附金です。
経営状態の悪い子会社。潰れられては困る。少しは資金援助しなくては。これも原則として寄附金です。
良かれと思ってやったことが、寄附金と認定されて、税金が高くついたなんてことになったら、やり切れません。税理士に相談しながら、注意深くやらないといけません。
第3回へつづく
<著者プロフィール>
 
村形 聡
税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO
株式会社エム・ソリューション代表取締役 
慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士、税理士。
大手監査法人にて銀行、証券会社、専門商社、製造業、ホテル業、建設業、ゴルフ場など幅広い分野にわたる会計監査に従事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気にする税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング、企業のターン・アラウンドに関するコンサルティング業務、最近ではマーケティングに関するコンサルティングにも力を注いでいる。
税理士法人ゼニックス・コンサルティング
http://www.xenix.com/
村形聡氏ブログ
http://ameblo.jp/xenix/

 

税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

公認会計士、税理士 村形 聡

 

寄附金は損金と認められるか? 300pix.png

 

企業会計の利益計算と、税務会計の所得計算との間で違いがある典型的な例として、「寄附金」の取り扱いがあります。「寄附金」は、企業会計では当然に経費とされますが、税務会計では、損金とすることに制限があります。具体的に説明しましょう。


「寄附金」というのは、「寄付金、拠出金、見舞金などいずれの名義をもってするかを問わず、金銭その他の資産や経済的利益の贈与等をいい、反対給付のない支出」をいいます。


つまり、一般的な言葉で言えば「贈与」、見返りの無い支出のことです。


例えば、社員全員で初詣にいったときのお賽銭とか、政治団体への寄付とか、町内会主催のお祭りの協賛金などが、これに当たります。いずれも、本質的には、見返りを求めて行なう取引ではありませんね。


税の世界における所得計算では、収入金額から差し引いてよい経費は「必要経費」、つまり、収入の獲得に必要と認められる経費に限定したいという基本的な考え方があり、そういう意味からすれば、見返りの無い支出である寄附金は収入の獲得のために必要な経費とは呼べない性質があります。


しかも、このような支出をやみくもに必要経費として認めたとすると、法人税を払いたくない輩は、めったやたらと寄付をしまくって、法人所得を常に0とすることが可能です。


そんなこと、やらないって?いやいや、いざとなったらやるかもしれませんよ。だって、税金たくさん払ったって感謝されませんけど、近所の人に100万円プレゼントすれば、多少なりとも感謝されますから、もしかしたら、イイ事あるかもしれません。確率、低くないです。


だから、たくさん税金払うんだったら、お金を配った方がわずかばかりお得かもしれないってことになりますよね。それで、そんなことになると、法人税という制度そのものが崩壊しかねません。


そのため寄附金については、国や地方公共団体、財務大臣が公益性が高いと認めて特別に指定した公益法人に対するものを除いて、なるべく損金にできないようになっています。


詳しい計算は省略しますが、ほとんど損金にならないとでも覚えておいていただいて差し支えありません。


しかも、ここからが問題なんですが、「いずれの名義をもってするかを問わず」ですから、思わぬ取引が、税務上の寄附金と認定されることがあるのです。


なかなかお金を払ってくれない得意先。詳しい事情を聞いたら、かなり気の毒な経営状況のようですから、哀れみの気持ちから、「もう、いいよ。払わなくて。」と言ってあげたくなったとしても、これ寄附金です。経営状態の悪い子会社。潰れられては困る。少しは資金援助しなくては。これも原則として寄附金です。


良かれと思ってやったことが、寄附金と認定されて、税金が高くついたなんてことになったら、やり切れません。税理士に相談しながら、注意深くやらないといけません。


第3回へつづく

 

<関連情報>

第1回 法人税の仕組みとは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/02/1.php

 

第3回 税金を追徴されるケース 

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/17/-3.php

 

第4回 会社が税務調査官からどのように見られているのか 

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/23/post-15.php

 

第5回 税務調査官のお土産とは?

 http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/30/-5-1.php

 

第6回 「取引価格」と「時価」とのギャップ

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/07/post-16.php

 

第7回 同族間の「取引価格」はどのように判断されるか?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/15/7.php

 

第8回 「低廉譲渡」という問題

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/11/post-17.php

 

第9回(最終回) タダで行われた取引が益金になる!?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/18/9.php



<著者プロフィール>

村形氏写真.jpg 

村形 聡


税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士、税理士。


大手監査法人にて銀行、証券会社、専門商社、製造業、ホテル業、建設業、ゴルフ場など幅広い分野にわたる会計監査に従事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気にする税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング、企業のターン・アラウンドに関するコンサルティング業務、最近ではマーケティングに関するコンサルティングにも力を注いでいる。


税理士法人ゼニックス・コンサルティング

http://www.xenix.com/


村形聡氏ブログ

http://ameblo.jp/xenix/

 

最新刊「社長のための「非常識な会計」のルール」ご案内

http://www.mng-ldr.com/recommen/2013/09/09/post-18.php

 

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