コラムBOX

2013年09月02日

「マネジメントに必要な法人税の基礎講座」【第1回】

新連載コラム  法人税の仕組みとは?

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マネジメントに必要な法人税の基礎講座

 

第1回 法人税の仕組みとは?

マネジメントに必要な法人税の基礎講座
サブタイトル:第1回 法人税の仕組みとは?
税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO
株式会社エム・ソリューション代表取締役 
公認会計士、税理士 村形 聡
中小企業経営者にとって、最も気になる税金は、なんと言っても法人税ではないでしょうか。これから税金について、様々
な話をさせていただこうと思っていますが、そのためには、まず最初に法人税の基本的な仕組みを知っておいてもらった方
が良いので、ちょっと書かせてもらいます。
まず、法人税というのは、法人の「儲け」に対して、税率をかけて、税額を計算します。ですから、法人が儲かっていない
とき、つまり、赤字経営のときは法人税も0円となります。
ところが、法人が儲かっているかどうか、その計算方法について、法人税法は固有のルールを設けています。法人税が課税
される法人の「儲け」のことを「法人所得」といい、
< 法人所得 = 益金 ? 損金 >
として計算することとされています。これは、一般的な企業会計の利益計算式、
< 利益 = 収益 ? 費用 >
というのと、ちょっと言葉遣いが違っています。
と言いますのも、法人税法は、企業会計上の収益と税務上の益金は同じでは無い、
企業会計上の費用と税務上の損金は同じでは無い、と言いたいわけです。
つまり、
「企業会計上の利益と税務上の所得は、違いますからネ。」
と言いたいのです。
でも、ご安心下さい。法人税法22条に、そこら辺りのことが規定されていますけど、
簡単に言ってしまえば、
「法人税法で特別なルールを設けていない部分は、企業会計と違いませんよ。」
と書いてあるのです。
しかも、この法人税法上の特別なルールというのは、会計全体の20%もありません。80%は企業会計も税務会計も同じなの
です。
「それだったら、100%イコールにしてもらえれば良かったのに。」と思うかもしれませんが、企業会計と税務会計とは、そ
の目的や考え方の背景が異なりますから、両者の間には、不一致となる部分があっても仕方が無いというのが実情です。
実は、税の世界では、
「納税は公平に行なわれなければならない」という、とても大切な考え方があります。このため、企業の自由意志を、合理
的な範囲で認める企業会計と同じ方法で所得計算をしてしまうと、会計に対するポリシーの違いで、法人によって、税金が
高くなったり、安くなったりしてしまうという問題があるのです。
公平性を大事にする税の世界では、こんなことはあってはなりません。このため、税法では計算の方法や、取引の取扱方法
など「微に入り、細に入り」決めているわけです。
そうすると、企業会計である程度の自由を尊重してもらっても、税金計算の際に、計算のやり直しが多くなるのは面倒なの
で、税法の計算方法が、企業会計のポピュラーな計算方法として定着することになります。
こういうことまで考えると、企業会計と税務会計の違いは、それほど多くは無いということになり、実務的には、ごく僅か
な相違点だけ押さえておけば良いということになるわけです。
第2回へつづく
<著者プロフィール>
 
村形 聡
税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO
株式会社エム・ソリューション代表取締役 
慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士、税理士。
大手監査法人にて銀行、証券会社、専門商社、製造業、ホテル業、建設業、ゴルフ場など幅広い分野にわたる会計監査に従
事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気に
する税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング
、企業のターン・アラウンドに関するコンサルティング業務、最近ではマーケティングに関するコンサルティングにも力を
注いでいる。
税理士法人ゼニックス・コンサルティング
http://www.xenix.com/
村形聡氏ブログ
http://ameblo.jp/xenix/

 

税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

公認会計士、税理士 村形 聡

 

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中小企業経営者にとって、最も気になる税金は、なんと言っても法人税ではないでしょうか。

これから税金について、様々な話をさせていただこうと思っていますが、そのためには、まず最初に法人税の基本的な仕組みを知っておいてもらった方が良いので、ちょっと書かせてもらいます。


まず、法人税というのは、法人の「儲け」に対して、税率をかけて、税額を計算します。ですから、法人が儲かっていないとき、つまり、赤字経営のときは法人税も0円となります。

 

ところが、法人が儲かっているかどうか、その計算方法について、法人税法は固有のルールを設けています。法人税が課税される法人の「儲け」のことを「法人所得」といい、

 

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として計算することとされています。

これは、一般的な企業会計の利益計算式、

 

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というのと、ちょっと言葉遣いが違っています。


と言いますのも、法人税法は、企業会計上の収益と税務上の益金は同じでは無い、企業会計上の費用と税務上の損金は同じでは無い、と言いたいわけです。


つまり、「企業会計上の利益と税務上の所得は、違いますからネ。」と言いたいのです。


でも、ご安心下さい。法人税法22条に、そこら辺りのことが規定されていますけど、

簡単に言ってしまえば、「法人税法で特別なルールを設けていない部分は、企業会計と違いませんよ。」と書いてあるのです。


しかも、この法人税法上の特別なルールというのは、会計全体の20%もありません。80%は企業会計も税務会計も同じなのです。


「それだったら、100%イコールにしてもらえれば良かったのに。」と思うかもしれませんが、企業会計と税務会計とは、その目的や考え方の背景が異なりますから、両者の間には、不一致となる部分があっても仕方が無いというのが実情です。


実は、税の世界では、「納税は公平に行なわれなければならない」という、とても大切な考え方があります。このため、企業の自由意志を、合理的な範囲で認める企業会計と同じ方法で所得計算をしてしまうと、会計に対するポリシーの違いで、法人によって、税金が高くなったり、安くなったりしてしまうという問題があるのです。


公平性を大事にする税の世界では、こんなことはあってはなりません。このため、税法では計算の方法や、取引の取扱方法など「微に入り、細に入り」決めているわけです。


そうすると、企業会計である程度の自由を尊重してもらっても、税金計算の際に、計算のやり直しが多くなるのは面倒なので、税法の計算方法が、企業会計のポピュラーな計算方法として定着することになります。


こういうことまで考えると、企業会計と税務会計の違いは、それほど多くは無いということになり、実務的には、ごく僅かな相違点だけ押さえておけば良いということになるわけです。


第2回へつづく

 

 

<関連情報>

第2回 税務上の「寄附金」とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/09/post-14.php

 

第3回 税金を追徴されるケース

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/17/-3.php

 

第4回 会社が税務調査官からどのように見られているのか  

http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/23/post-15.php

 

第5回 税務調査官のお土産とは?

 http://www.mng-ldr.com/column/2013/09/30/-5-1.php

 

第6回 「取引価格」と「時価」とのギャップ

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/07/post-16.php

 

第7回 同族間の「取引価格」はどのように判断されるか?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/10/15/7.php

 

第8回 「低廉譲渡」という問題

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/11/post-17.php

 

第9回(最終回) タダで行われた取引が益金になる!?

http://www.mng-ldr.com/column/2013/11/18/9.php



<著者プロフィール>

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 村形 聡


税理士法人ゼニックス・コンサルティングCEO

株式会社エム・ソリューション代表取締役 

慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士、税理士。


大手監査法人にて銀行、証券会社、専門商社、製造業、ホテル業、建設業、ゴルフ場など幅広い分野にわたる会計監査に従事するかたわら、株式公開支援業務として様々な業種に対するコンサルティング業務にも従事。独立後は、「会社を元気にする税理士」として税理士業務を主軸としながら、ベンチャー企業の経営コンサルティング業務、M&A支援コンサルティング、企業のターン・アラウンドに関するコンサルティング業務、最近ではマーケティングに関するコンサルティングにも力を注いでいる。


税理士法人ゼニックス・コンサルティング

http://www.xenix.com/


村形聡氏ブログ

http://ameblo.jp/xenix/

 

最新刊「社長のための「非常識な会計」のルール」ご案内

http://www.mng-ldr.com/recommen/2013/09/09/post-18.php

 

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