コラムBOX

2013年06月10日

中小企業CSRの最新事例 - 後編 -

本業を通じた社会貢献を実践するソーシャルプリンティングカンパニーの事例(後編)をご紹介します。

【コラム/中小企業CSRの最新事例】

 

著者:河内山信一(こうちやま しんいち)

株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズ 代表取締役

ファンドレイザー(日本ファンドレイジング協会 准認定ファンドレイザー)

 

 


【コラム/中小企業CSRの最新事例】
株式会社大川印刷(http://www.ohkawa-inc.co.jp)
【後編】
CSRは「見せる」ためにやるのではなく
企業が「生きる」ためのもの
「ソーシャルプリンティングカンパニー」というビジョンを掲げ、印刷を通じた社会貢献を行う創業130年を超える老舗印刷会社、株式会社大川印刷のCSRの後編です。
前編では、「本気のCSR経営が、企業に競争力を与える」。それを実践している企業であることを事例など踏まえながらご紹介いたしました。
後編では、そのような組織を中小企業では、どのように運営していったらよいのかを、同社の例をもとに考察していきます。
◎理想は全従業員CSR担当
「会社でのCSRプロジェクトの担当者は」という問いに、「理想は全従業員がCSR担当という自覚を持って働くことです」と大川社長。
実際、同社では単年度(1年ごと交代)委員会制度という、営業や製造、総務などのタテ割りをなくす部門横断型の委員会体制を採用しています。
◆「来年のあるべき姿」を考える会(社長コミット)
幹部社員がワールドカフェ形式で実施。
○ゴールデンクエスチョン
・うまくいっていることは何か
・うまくいっていないことは何か
・これからやってみたいことは何か
・これからやってみたいことの障がいとなっていることは何か
出てきた内容を集約する
◆ワールドカフェ(部門ごとに実施)
ここでは、答えを限定させないのがポイント。
多数出てきた意見を幹部社員がまとめる
◆経営改善会議(社長コミット)
ビジョンおよび部門別経営計画設定
◆各委員会を設定
ビジョン達成のために必要な委員会を設定し議論を行う
・CSR推進委員会
・品質向上委員会
・サービス向上委員会
・ES向上委員会
などを必要に応じて設定
◆2014ビジョン推進室(社長コミット)
各委員会で上がってくる内容を確認
キーとなる会議ではトップコミットメントが行われており、会社全体がぶれることなく同じベクトルで動いていることがわかります。これが非常に重要なことだと思います。
◎社員のモチベーション向上へ寄与する報告会
2012年11月、創立131年目にして初めての対外的なCSR報告会を実施。 
「130年前からやっていた? CSR130 企画展示とCSR報告会」という大川印刷の130年の歴史企画展示とCSR報告会に、予定定員を遥かに上回るお客さまがご来場されました。この成功体験が従業員全員の自信につながりました。
最近は、モチベーションの向上とともに、従業員全員でCSRを動かすという考え方が浸透したおかげで、ボトムアップで社会貢献とビジネスを融合させた企画が生まれてくるようになったそうです。
◎CSRは売り上げにも寄与する
大川社長は最後に、「先義後利」という言葉を用いて、CSRは「見せる」ためにやるのではなく、「生きる」ためのもので、全ては企業の存在価値につながっていると説明されました。
では、本当に売り上げにつながっているのかが気になるところ。
これらの取り組みを行う上で、多くの企業とプロジェクトを進行することで、取引企業は確実に毎年増えており、平均で70社以上新規の取引があるとのこと。それに比例して、売り上げも2012年度は前年度107%と結果も出しています。また、このようなCSR経営の見学の問い合わせや、講演会なども増えてきているとのことで、まさにCSRが企業の競争力になっているといえます。
利益が出たから社会貢献を行うのでは、事業の継続性は保つことはできません。社会貢献を本業の中で行うことで、事業として確立でき、地域に認められ持続性があり発展する企業となっていくということを実践している大川印刷は、まさに地元に愛される「地域企業」であるといえると思います。
<企業概要>
株式会社大川印刷(http://www.ohkawa-inc.co.jp/)
代表取締役社長:大川哲郎 
創業:1881年(明治14年) 
本社・工場:〒245-0053 横浜市戸塚区上矢部町2053
従業員:42人(平成25年4月現在) 

【コラム/中小企業CSRの最新事例】


株式会社大川印刷  【後編】

http://www.ohkawa-inc.co.jp/

 

CSRは「見せる」ためにやるのではなく企業が「生きる」ためのもの


 

「ソーシャルプリンティングカンパニー」というビジョンを掲げ、印刷を通じた社会貢献を行う創業130年を超える老舗印刷会社、株式会社大川印刷のCSRの後編です。


前編では、「本気のCSR経営が、企業に競争力を与える」。それを実践している企業であることを事例など踏まえながらご紹介いたしました。


後編では、そのような組織を中小企業では、どのように運営していったらよいのかを、同社の例をもとに考察していきます。

 


 

◎理想は全従業員CSR担当

「会社でのCSRプロジェクトの担当者は」という問いに、「理想は全従業員がCSR担当という自覚を持って働くことです」と大川社長。


実際、同社では単年度(1年ごと交代)委員会制度という、営業や製造、総務などのタテ割りをなくす部門横断型の委員会体制を採用しています。

 

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キーとなる会議ではトップコミットメントが行われており、会社全体がぶれることなく同じベクトルで動いていることがわかります。これが非常に重要なことだと思います。



◎社員のモチベーション向上へ寄与する報告会

2012年11月、創立131年目にして初めての対外的なCSR報告会を実施。
 

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CSR報告会

 

 

「130年前からやっていた? CSR130 企画展示とCSR報告会」という大川印刷の130年の歴史企画展示とCSR報告会に、予定定員を遥かに上回るお客さまがご来場されました。この成功体験が従業員全員の自信につながりました。


最近は、モチベーションの向上とともに、従業員全員でCSRを動かすという考え方が浸透したおかげで、ボトムアップで社会貢献とビジネスを融合させた企画が生まれてくるようになったそうです。

 

 

◎CSRは売り上げにも寄与する

大川社長は最後に、「先義後利」という言葉を用いて、CSRは「見せる」ためにやるのではなく、「生きる」ためのもので、全ては企業の存在価値につながっていると説明されました。


では、本当に売り上げにつながっているのかが気になるところ。

これらの取り組みを行う上で、多くの企業とプロジェクトを進行することで、取引企業は確実に毎年増えており、平均で70社以上新規の取引があるとのこと。売り上げも2012年度は前年度108%と結果も出しています。また、このようなCSR経営の見学の問い合わせや、講演会なども増えてきているとのことで、まさにCSRが企業の競争力になっているといえます。


利益が出たから社会貢献を行うのでは、事業の継続性は保つことはできません。社会貢献を本業の中で行うことで、事業として確立でき、地域に認められ持続性があり発展する企業となっていくということを実践している大川印刷は、まさに地元に愛される「地域企業」であるといえると思います。

 

<企業概要>

株式会社大川印刷(http://www.ohkawa-inc.co.jp/

代表取締役社長:大川哲郎 

創業:1881年(明治14年) 

本社・工場:〒245-0053 横浜市戸塚区上矢部町2053

従業員:42人(平成25年4月現在) 

 

 


 

<関連記事>

第1回 よく耳にするけど、よくわからない「CSRって何?」

http://www.mng-ldr.com/column/2012/11/22/csr.php


第2回 中小企業に必要なCSRの考え方とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2012/12/27/post-8.php


第3回 「守りのCSR」から始めよう

http://www.mng-ldr.com/column/2013/02/14/csr-1.php


第4回 自社だからこそできる「攻めのCSR」に目を向けよう

http://www.mng-ldr.com/column/2013/04/16/post-12.php


第5回 中小企業CSRの最新事例 - 前編 -

http://www.mng-ldr.com/column/2013/05/22/----.php

 

 


<著者プロフィール>


河内山信一(こうちやま しんいち)


■株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズ 代表取締役

■ファンドレイザー(日本ファンドレイジング協会 准認定ファンドレイザー)


≪経歴≫

1973年生まれ 東京都出身

1997年 東洋大学経済学部卒 

1997年から2007年 株式会社スタンダード通信社。営業職。大手精密機器メーカー、大手飲料メーカー、大手金融、政府外郭団体など数多く担当。主に企業の環境コミュニケーション担当として広告企画からイベント運営まで幅広く担当。2003年に大手精密機器メーカーのCSR事業準備室の立ち上げに参加、2005年愛知万博では政府外郭団体のパビリオンのイベント運営を担当など、環境やCSR周りを主に担当。 

2007年から2012年 株式会社電通。営業職。 大手総合家電メーカーの企業環境コミュニケーションなどを担当。 

2012年3月 電通を退社。

広告代理店スキルを持って社会貢献では何ができるかを考え、ファンドレイザーを目指す。 

2012年8月 第1回日本ファンドレイジング協会准認定ファンドレイザー試験に合格。 

2012年10月 株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズを設立。 NPOなど非営利団体のファンドレイジング(資金調達)を基本としたコンサルティングを主な事業とし、企業のCSR担当者やCRM検討されている担当者に「本業に繋がるCSR」のご提案やコンサルティングも行っています。

無料相談なども行っていますのでHPから気軽にお尋ね下さい。


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