コラムBOX

2012年12月27日

中小企業に必要なCSRの考え方とは?  著者:河内山信一

中小企業のための「会社を強くするCSR」講座 第2回

中小企業では、CSR活動という特別な認識からスタートするのではなく、経営者の強い想いや経営理念から始まった活動が結果的にCSR活動になっている場合がよくあり、そこが大企業のCSRとは大きく異なる点です。

 

今回は、中小企業の持続的な経営を可能にするために必要なCSRとはどのような内容かを考えていきたいと思います。

 

まずは、「自発的にCSRに取り組む」ことが必要です。

中小企業が行うCSRは、グリーン調達や個人情報に関する規格を取らないと契約を打ち切られるなど、川上の大企業のCSR基準を取引条件として要求される状況からの取り組みになる場合があります。そうなると、中小企業自体の独自性はなく、契約を維持するために、わざわざマンパワーと時間とコストを掛け、「押し付けのCSR」の条件をクリアするだけのCSR活動になりがちで、その作業が終わればそれ以上のこと、つまり本質である社会的責任を果たすことを行わなくなってしまいます。これではCSRの考え方からいうと本末転倒です。持続可能なCSRを行うためには、自発的に独自のCSRの取り組みを率先して行うことが重要なのです。


次に、継続するためには、CSRが「経営に直結する意義あるもの」である必要があります。景気や売り上げに左右され、CSRの取り組みが経営を圧迫するようでは、そもそも企業の存続にとって意味のないものになってしまいます。いくら独自のCSR活動をしていたとしも、企業の負担になるようでは長続きしません。したがって、中小企業が行うCSRは、慈善やボランティア的なものよりも、経営意義を求める活動に取り組むべきと考えます。


最後に、中小企業の活動の対象となるステークホルダーは、顧客、従業員、地域社会がほとんどです。大企業のようなブランディング先行の戦略的な攻めのCSRをするよりも、地に足がついた活動を行うべきでしょう。中小企業の基盤は地元・地域にある場合が多く、経営を円滑にする上でも「地元・地域を意識した活動」が有効だといえます。地域貢献などにより、地元の地域住民に愛されてこそ、持続可能な経営が可能になります。


これに加え、第1回でお話したコンプライアンスや情報開示など、企業が本業を支えるための根幹となる非常に重要な「基本的なCSR」を行うことが前提であることはいうまでもありません。


以上が中小企業にとって必要なCSRの考え方ではないでしょうか。


【コラム/中小企業CSRの最新事例】


自発的な活動で、楽しみながら社会貢献活動を
株式会社イデアインターナショナルの取り組み

 

「CSRチーム『バタフライ』」

12月1日の世界エイズデーに合わせて11月25日に開催された、エイズ孤児支援NGO・ PLAS(以下、プラス)の世界エイズデー・チャリティーパーティーに参加してきました。


当日、ボランティアやゲスト、アフリカンダンスチーム「ファティマタファミリー・プロジェクト・ニョーコヨル」の方などを含めて総勢100名以上の参加者が集まっていました。パーティーは、アフリカンダンスのパフォーマンスや、プラスの活動報告を行うミニトークセッション、プラスの活動について答えるクイズラリーなど来場者が楽しみながら学べるイベントが用意され、パーティーの最後には、ウガンダから日本の大学に留学中のエイズ孤児カソマ・メーブルさんが、自身の生い立ちやエイズ孤児たちへの想い、将来の夢やメッセージを語り、エイズ孤児支援NGO・PLASという団体の活動やエイズ孤児の今について考える貴重な時間となりました。


※エイズ孤児支援NGO・PLASのブログ
http://www.plas-aids.org/blog/2012/11/27/11794


そんなパーティーの会場になっていたのが、株式会社イデアインターナショナルの本社。
このパーティーでは、会社の受付から打ち合わせルームなどをCSRの一環で社会貢献団体に貸していただけでなく、社員が運営もお手伝いしていました。


■CSRチーム「バタフライ」という存在

株式会社イデアインターナショナルの中には、社員一人ひとりが世界や社会のいろいろな側面に目を向け、毎日の生活の中で無理なく社会貢献を行うことを提案するCSRチーム「バタフライ」が存在します。正式な部署というわけではなく、各部署の有志が集まって活動をしているとのこと。活動のモットーは3つあります。


1)斬新なアイデアを伴う活動であること
2)無理せず続けていけること
3)さまざまな団体と互いに学び合いながら関わっていくこと

このチーム「バタフライ」は、ただの社会貢献サークルではなく、企業という枠組みの中で企業に価値を還元できるチームになっていました。


その活動事例をいくつかお知らせします。

 

 

 

【事例1】オフィスの貸し出し


デザイン雑貨を扱っているだけあって、緑が豊富な自慢のオフィスの会議スペースおよび機材等を社会貢献団体に対し、無償で貸し出しています。それだけでなく、イベントそのものに社員が一緒に参加。企画から運営サポートなども行い、社員と社会貢献団体の語りの場、社員の学習の場所としています。

  

<同社オフィスで開催されたイベントの例> 

◆エイズ孤児支援NGO・PLASの活動報告会
 

PLASさんオフィス貸出し写真.jpg

 

◆NGOユイマール主催のモンゴルの孤児院の子供たちによる社員向けミニコンサート
 

RIMG0398.JPG

 

【事例2】チャリティーバザー


サンプル品や輸送時に箱がつぶれてしまったコスメ商品、消費期限が残り少ないオーガニック化粧品など、通常販売できなくなった商品を集め、社内スペースに特設会場を設けてチャリティーバザーを行っています(不定期開催)。開催時は全社メールで全社員に知らせるほか、関係会社やNPOなどの支援先の方々、ビル内の他の企業の社員にも案内を出し、地域に貢献。また、バザーの売り上げは全て社会貢献団体に寄付しています。

111012_1710~01.jpg
 
【事例3】社内クッキー販売


オフィスにお菓子ボックスを設置し、購入するたびにお金を入れ、その設置メーカーが商品補充や代金回収を行う社員サービスがあります。チーム「バタフライ」では、単なる市販のお菓子ではなく、地域の障がい者の就業支援を行う授産施設で作られたおいしいクッキーを定期的に購入し、これに充てています。また、月に2回は施設の方が会社に直接訪問し、直接販売も行っているそうです。

福祉作業所さんのクッキー.jpg 

チーム「バタフライ」の活動は、単純な社会貢献ではなく、企業に還元し、今後も続けていくことができる自発的な取り組みになっています。社内クッキー販売などは、他の企業も取り入れやすい社会貢献活動だと思いますので、お近くのぜひわが社もという会社は、チーム「バタフライ」に連絡してみるといいかも。

 

<企業DATA>
株式会社イデアインターナショナル
http://www.idea-in.com/
設立:1995年11月30日
従業員数:178人(2012年6月末現在)
TEL:03‐5446‐9530

 

 

 


<関連記事>

第1回 よく耳にするけど、よくわからない「CSRって何?」

http://www.mng-ldr.com/column/2012/11/22/csr.php

 

第3回 「守りのCSR」から始めよう

http://www.mng-ldr.com/column/2013/02/14/csr-1.php


第4回 自社だからこそできる「攻めのCSR」に目を向けよう

http://www.mng-ldr.com/column/2013/04/16/post-12.php


第5回 中小企業CSRの最新事例 - 前編 -

http://www.mng-ldr.com/column/2013/05/22/----.php


第6回 中小企業CSRの最新事例 - 後編 - 

http://www.mng-ldr.com/column/2013/06/10/-----1.php



<著者プロフィール>


河内山信一(こうちやま しんいち)


■株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズ 代表取締役

■ファンドレイザー(日本ファンドレイジング協会 准認定ファンドレイザー)


≪経歴≫

1973年生まれ 東京都出身

1997年 東洋大学経済学部卒 

1997年から2007年 株式会社スタンダード通信社。営業職。大手精密機器メーカー、大手飲料メーカー、大手金融、政府外郭団体など数多く担当。主に企業の環境コミュニケーション担当として広告企画からイベント運営まで幅広く担当。2003年に大手精密機器メーカーのCSR事業準備室の立ち上げに参加、2005年愛知万博では政府外郭団体のパビリオンのイベント運営を担当など、環境やCSR周りを主に担当。 

2007年から2012年 株式会社電通。営業職。 大手総合家電メーカーの企業環境コミュニケーションなどを担当。 

2012年3月 電通を退社。

広告代理店スキルを持って社会貢献では何ができるかを考え、ファンドレイザーを目指す。 

2012年8月 第1回日本ファンドレイジング協会准認定ファンドレイザー試験に合格。 

2012年10月 株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズを設立。 NPOなど非営利団体のファンドレイジング(資金調達)を基本としたコンサルティングを主な事業とし、企業のCSR担当者やCRM検討されている担当者に「本業に繋がるCSR」のご提案やコンサルティングも行っています。

無料相談なども行っていますのでHPから気軽にお尋ね下さい。


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