コラムBOX

2012年12月05日

モチベーションアップの新手法! 総務部門による「広報活動」のススメ 第1回 著者:小島一郎

第1回 会社の知名度だけで従業員のモチベーションは上がらない

従業員のモチベーションが高い企業とは?

 

学生の就職希望ランキンクが毎年発表されますが、知名度の高い有名企業が上位を占めています(図参照)。


これは、働いている従業員による愛社度ランキングにおいても同様で、知名度の高い企業が上位にランクアップしています(表参照)。

 

 

就職ランキング.png

 

愛社度ランキング.png

 

 

 

従業員の満足度は、報酬や仕事内容などさまざまな要素から構成されています。知名度の高さがすなわち、従業員の高い満足につながるものではありません。

 

では、満足度の高さ、すなわち従業員のモチベーションの高さとは何なのでしょうか?

 


欲求5段階説を現代風に解釈してみる

 

 

モチベーションを考えるにあたり、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズロー(1908-1970)によって唱えられた欲求5段階説をご紹介します。

 

この理論では、人間の欲求はピラミッドのような5つの階層になっており、1段階目の欲求が満たされると、1段上の欲求を目指すとされています。

 

上位2つは、自分を認めてもらいたいという「自我の欲求」、なりたい自分になる「自己実現の欲求」であり、自己実現の段階にいたった欲求は尽きることがないとしています(下参照)。

 

【マズローの欲求5段階説】

欲求段階説.png

 

 

この理論は、20世紀に発表されたものですが、現在も広く支持されています。
これを企業で働く従業員に当てはめた場合、以下のようになるものと筆者は考えます。


 

【企業における従業員の欲求段階】
自己実現  :創造的活動。自分の仕事、自社の事業が外部から評価された状態である
自我の欲求:認知欲求。自分、自社の存在が知られている。認知度がある
親和の欲求:勤務先の会社や部門でチームワークよく働けている
安全の欲求:雇用が守られている
生理的欲求:生活をするのに必要な収入が得られる
(筆者作成)

 


上位階層となる、自我の欲求と自己実現の欲求はそれぞれ、自分のやっている役割やその仕事が自社の評価を作っていること、とも表現できます。そして、これらの上位の欲求を満足させることがすなわち、従業員の高いモチベーションを生み出すことになるのです。

 


モチベーションアップをもたらす方法とは?

 

では、企業で働いている従業員にとって、自我の欲求、自己実現欲求を満たすとはどういうことでしょうか?

 

前述の愛社度ランキングに挙がっている企業が従業員の多い大企業ばかりなのは、知名度の高さ(自我の欲求)にとどまらず、自ら(自分が働いている会社)が評価されていることが実感できていることが理由となっていると考えられます。

 

一方で、従業員の満足度が低い企業の大半も知名度の高い企業です。不満の要因には、賃金の安さなどが挙げられていますが、自分の仕事への評価としての報酬・賃金が低いことを実感している場合、自己実現欲求が満たされていないであろうことは容易に想像がつきます。

 

しかしながら、すぐに報酬を上げるのは難しい......。
ましてや、知名度を高めるような広告資金もない......。
 

こんな感想をお持ちになった経営者や総務部門の方もいるのではないでしょうか。

 

そのような方々に、ぜひおすすめしたい方法があります。

 

それは、広報の活用です。

 

広報というと、マスコミ取材などに華やかなPRパーソンが対応している印象をお持ちになる方もいらっしゃるかと思います。マスコミや広告代理店のような派手な世界で、自分にはあまり縁がないと敬遠される方もいるでしょう。実はそんなことは全くないのです。

 

 

続く、第2回では、広報と広告の違いを中心にご説明します

 

 

 

(※)キャリコネ( http://careerconnection.jp/
社員が投稿した企業クチコミや給与明細を閲覧できるサイト、「キャリコネ」では、 数十万人の社員が投稿したリアルなデータを蓄積。
会社の実情を把握できるだけでなく、就職・転職にも役立つサイトとして年間1200万人が利用している。
自身の勤務する会社についての意見を投稿することで、ほかの参加者の給与明細や企業のクチコミ情報を閲覧することができる。

 

 

(この記事は2012年12月5日公開のものです)


【記事執筆】

小島一郎

株式会社分析広報研究所

代表取締役 チーフパブリックリレーションズアナリスト

株式会社分析広報研究所

代表取締役 チーフパブリックリレーションズアナリスト

 

 

 <著者プロフィール>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

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 小島一郎

 ■株式会社分析広報研究所

代表取締役 チーフパブリックリレーションズアナリスト

 

東京都出身。1997年上智大学卒。大手証券会社系シンクタンクにて小売・専門店・外食等のBtoCビジネスの成長企業調査を行う証券アナリストを経験(日経金融、エコノミスト誌の人気アナリストランキングでの実績あり)、事業を外部から評価、発掘するノウハウを培った後、事業会社に転身。不動産、ゲーム、ネットサービスの上場企業にて、PR・IRを行い、企業の中から外部に対して評価を得るための発信、関係構築を担う。また事業会社では、社長室の責任者として、経営企画や内部統制等、企業の中から外からの評価を得るに足る企業・事業を作るための実務を多岐に渡り経験。
2012年独立。株式会社分析広報研究所 代表取締役 チーフパブリックリレーションズアナリスト。コーポレートインテリジェンス等を活用し、クライアントの評価を作り出す独自のコミュニケーション手法によって、メディアや従業員等の内外からのクライアント評価改善実績を重ねている。
プライベートでは小学生1年生の息子との野球とアート鑑賞が趣味。東京育ちながらも阪急ブレーブス時代からのオリックスファン。

 

 

株式会社分析広報研究所HP http://sememasu.com/
感想、お問い合わせ等は info@sememasu.com へ。

 

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