コラムBOX

2012年11月26日

中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第3回 素人の声が大きなアイデアにつながる 著者:田邉弘美

タブレット端末を企業で有効活用するための導入の仕方について専門家が解説

 

 

「素人なのでよくわかりません」
タブレット端末活用のお話でうかがうと、ほとんどの会社でいわれます。

 

 

「だからいいんですよ」
と私たちは返します。

 

 

 実際、ご自分で「素人」だとお話になった方々の声を参考にすることで、活用方法の幅が大きく広がることは珍しくありません。

 

 

 タブレット導入に関する相談は、現場での活用が圧倒的な数を占めています。

 

 

 だからこそ、「現場の素人」の声が大切になると考えています。

 

 

 今回は、生命保険会社の営業現場で活躍するセールスレディーがiPadを活用してどう自分たちの業務を改善していったかについてお話しします。

 

 

 彼女たちとの出会いは、同社の営業部長さまが弊社のプレゼンツールに興味を持ってくださり、現場での活用を推進したいと「iPad導入コンサル」をお申し込みいただいたところから始まりました。

 

 

 PCはほとんど触ったことがなく、普段活用しているIT機器といえばガラケー(従来の携帯電話)のみというスキルの彼女たちにどうやってiPadを使いこなしてもらうのか、有効な活用方法は何なのか、それを模索することからのスタートでした。

 


こんなことできたらいいな!

 

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 まずは、タブレットから離れて、現場で苦労していること、こんなことができたらいいな、を全員に考えてもらいホワイトボードに書き出してみました。

 

 

 ・ スケジュールを共有したい
 ・ イベントなどの案内を共有したい
 ・ チラシ/カタログを使ってプレゼンしたい
 ・ 仕事や活動中の動画を撮影して採用に使いたい
 ・ 再訪の約束用に「おみくじ」アプリなどで景品をプレゼントするなどの仕組み
 ・ 話法を学習するツールがほしい

 

 

などなど、現場で活用するためのいろいろなアイデアを出していただきました。

 

 

 これらの要望を以下のようにまとめてみました。

 

20120920_セミナースライド のコピー.042.jpg

 

 

 

1、情報の共有

 

 

 メールアドレスの取得や、スケジュール/ドキュメントの共有が可能になるGoogle Apps for Business(※)を導入することでチーム内の情報共有を実現しました。
http://www.google.com/intl/ja/enterprise/apps/business/

 

 

 活用事例としては、議事録や回覧板など規定の用紙で作成したものはスキャナーで読み込みPDF化することで、ドキュメントとしてサーバーに保存しています。

 

 

 また、手書きメモは、タブレットの手書きアプリを活用してメモを取り、その情報をPDF化するか、手書き画面をカメラで撮って画像として保存することで同様にサーバーでの共有が可能になります。
こうした試みは、徐々にペーパーレス化にもつながってきています。今では、会議の招集もスケジュールに登録することで周知徹底できるまでになっています。

 

 

 Google Appsへのユーザー追加や共有設定など補佐している部分もありますが、外出先での情報共有については格段の進歩となっています。

 

 

 

2、プレゼン

 

 

 ここで、彼女たちの要望から生まれた少し変わった使い方をご紹介します。

 

 

 話法......セールスレディーたちがパンフレットをご紹介するときに説明する文言を設定しています。いわゆる「トーク集」です。

 

 

 パンフレットに合わせたセールスポイントを学習するために試行錯誤を重ねたトーク集として、みんなが暗記しています。

 

 

 彼女たちの悩みは、このトーク集をバインダーに綴じてパンフレットとは別に保存し見比べながらの暗記のため、資料を広げる場所は取るし、トークの差し替えの度にコピーをとってみんなに配布する事務作業をしなければなりませんでした。

 

 

 これをタブレットにのせかえたのが「話法暗記ツール」です。

 

20120920_セミナースライド のコピー.045.jpg

 

 

 上図のように、説明用のパンフレットの右側にトーク集を表示して切り替えボタンで隠すことも可能です。また、録音した音声でも聞くことができますので耳から覚えることもできるようになっています。パンフレット部分を次ページに送ることで、次の資料に進むことができます。ちょっとしたラーニングツールですね。

 

 

 パンフレットやトーク集の差し替えも最新版のアプリケーションを入れ替えるだけという手軽さに加えて、電車の中や自宅でも、タブレット一つで学習できる環境が整うため、強力な武器となって活躍してくれています。
お客さまの要望をお聞きして、自社開発したアプリケーションですが、こうした独自のアプリを搭載できるのもタブレットの強みとなります。

 

 

 こうした現場の方々とのディスカッションの中から、思いもしなかったアイデアが湧いてきてニーズの掘り起こしができるのもタブレット端末の強みだと思っています。
机の上で行っていた業務をタブレットにのせかえる方法もありますが、ぜひ、PCの入り込めなかった領域でタブレットの活用を考えてみてください。

 

 

 システム開発のような大規模のプロジェクトではなく、小さくスタートができるのもタブレットのアプリケーション開発の利点です。中小企業の方々にも、十分に手が届く予算範囲で業務効率を上げることができます。

 

 

*記事内に記載した会社名、製品名などは各社の称号、商標、または登録商標です。

 

⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第4回  法人導入におけるハードル
 

 

(この記事は2012年11月26日公開のものです)

 

 

 


【記事執筆】

 田邉弘美

 (タクト情報システムズ株式会社 代表取締役、タブレット企業導入コンサルタント) 

 

 

【関連記事】

 ⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第1回 タブレットはパソコンよりも使いやすい?

 ⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第2回 目的を与えられないタブレット端末は引き出しの中へ(1)

 ⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第2回 目的を与えられないタブレット端末は引き出しの中へ(2)

 


━<著者プロフィール>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

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田邉弘美(たなべ ひろみ)

 

■タクト情報システムズ株式会社 代表取締役
■タブレット企業導入コンサルタント

 

大手電機メーカーにてオフコン基本ソフトの開発/技術計算プロジェクトなどを担当。

1987年、タクト情報システムズ株式会社を設立。
企画からプロジェクト管理、運用支援まで幅広い分野をサポートする会社として、創業以来多くの企業へシステムを納入。高い技術力と豊富な知識で、クライアントさまの企業発展に貢献できるシステムづくりをモットーとしている。
2010年スマートタブレットの発売と同時に、自社製品の販売や結婚式場、生命保険、住宅業界などへの導入実績がある。これらの経験を元に、独自の「タブレット導入事例セミナー」「iPad活用セミナー」など、セミナー活動、導入コンサルタントとして活躍中。

 

タクト情報システムズ株式会社

 http://www.tact-info.co.jp/

 

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