コラムBOX

2012年11月22日

よく耳にするけど、よくわからない「CSRって何?」 著者:河内山信一

中小企業のための「会社を強くするCSR」講座 第1回

 

先日、友人の結婚式2次会に出席して、数年ぶりにあった旧友(メーカー勤務)と最近の仕事について話をしていた時のこと。

 

 

彼は、某人気スマホに使われている部材の製造拠点を中国に移行したのだが、技術を中国に盗まれないことが課題だという話を熱弁していました。その会話の途中で、職業柄「CSRってどんなことをしているの?」と質問してみると、真顔になり、返答は「CSRって何?」でした。

 

 

中小企業の定義では、製造業では従業員300人以下または資本金3億円以下(中小企業基本法第2条)とあり、彼の会社は従業員約300人、資本金1000万なので、いわゆる中小企業です。

 

 

一方、資本金6億超の某有名グループウェアを提供する上場企業でさえ、CSRの専属部署はなく、社会貢献活動を始めた有志で、社公認の部活「CSR部」を作ったという話も聞いたことがあります。 上場企業ではCSRは部署として存在していて「CSR報告書」なども毎年発行している企業が多い中、日本の企業数の99.7%、約430万社、雇用の約7割を占めるわが国の経済の屋台骨である中小企業のCSRは未発達であるのが現状です。

 

 

 

●まず、CSRとは?

 

 

CSR(英語:corporate social responsibility)は企業の社会的責任と訳され、企業が事業活動において利益を優先するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、企業が「自主的に」、顧客、株主、従業員、取引先、地域社会などのさまざまなステークホルダーとの関係を重視しながら果たす社会的責任のことを指します。

 

 

21世紀に入ってから、過度な利益追求による不正経理・不正取引や、製品製造過程での環境破壊、人種差別や児童労働などによる人権問題など、人間社会の存続を脅かすようなさまざまな要因が顕在化してきました。その中で、企業が未来永劫存在していくためには、企業自らが地球市民として社会が永続的に発展していくよう貢献し、社会から存在を認められる(許される)存在にならなくてはならないと、CSRが唱えられ始めたのです。すべての企業はあらゆるステークホルダーに対して「説明責任」が求められ、社会に存在すべき企業かを常に問われ続けているといえるでしょう。

 

 

 

●「守りのCSR」と「攻めのCSR」

 

 

CSRには2つの側面があります。

 

一つは、コンプライアンスを基本とした「守りのCSR」です。具体的には下記の通りです。

 

 

◆内部的活動として

・関連法規の遵守やコンプライアンス

・安全安心な職場環境と従業員支援

・適切な情報開示

・誠実な消費者対応

・誠実な取引先への対応

 

◆外部的活動として

・地球環境への配慮

・ボランティア活動や寄付支援による社会貢献

・地域への貢献

 

 

これらは、未来永劫存在する企業にするために、社員全員が理解していなければならない基本的なことになります。

 

 

して、もう一つは、「攻めのCSR」です。

 

 

ステークホルダーへのさらなる付加価値提供と、ブランド力向上により会社の利益につなげていく、いわゆる、もうかるCSRを指します。CSRにおいては、サスティナビリティー(持続可能性)のない活動は意味がなく、「攻めのCSR」は会社に利益を与えることでサスティナブルな活動を可能にするという、よいサイクルを生み出します。

 

 

「攻めのCSR」ばかり注目を浴びやすいですが、攻めは会社として「守りのCSR」を構築したあとに行うものです。まずは自社のCSRの状況を顧みて「守りのCSR」を社内で構築することをお勧めします。

 

 

次回は、中小企業に必要なCSRの考え方を話したいと思います。

 


コラム/中小企業CSRの最新事例

 

 

地域の子供たちに建築への理解と親しみを深めてもらうために
越野建設の「コンクリートの日 体験まつり!」

 

 

越野建設株式会社は、CSRの一環として、地域の子供たちに建築への理解と親しみを深めてもらうことを目的とした体験型イベント「コンクリートの日 体験まつり!」を11月18日(日)に開催しました。

 


現代社会はビルや橋など、コンクリートをさまざまに活用しています。100年にわたり「鉄筋コンクリート構造」を基幹技術として磨いてきた同社は、生活の身近にありながら詳しく知る機会の少ないコンクリートについて、子供たちに"実体験"を通して学んでもらう場を提供したいと考え、このイベントを実施。11月15日の「生コンクリート記念日」にちなみ、毎年11月に開催しています。

 

 

◎この活動のポイント
・社員と地域(子供と親)をつなげる地域への貢献をしている
・事業の核であるコンクリートをキー展開していること

 

◎著者より一言!
越野建設がやる意味を持った地域貢献イベントになっており、すばらしいと思います。

 

 

 

 

コンクリート祭り1.jpg

会場の全景

 

 

コンクリート祭り2.jpg

 「セメントで手形を作ろう!」

 

 

コンクリート祭り3.jpg

 「生コンクリートにさわってみよう!」

 

 

<企業DATA>
越野建設株式会社
http://www.e-koshino.co.jp/index.html

設立:昭和39年8月7日(明治45年3月1日創業)
代表者:代表取締役 越野充博
従業員数:47人

 

 

 


<関連記事>

第2回 中小企業に必要なCSRの考え方とは?

http://www.mng-ldr.com/column/2012/12/27/post-8.php


第3回 「守りのCSR」から始めよう

http://www.mng-ldr.com/column/2013/02/14/csr-1.php


第4回 自社だからこそできる「攻めのCSR」に目を向けよう

http://www.mng-ldr.com/column/2013/04/16/post-12.php


第5回 中小企業CSRの最新事例 - 前編 -

http://www.mng-ldr.com/column/2013/05/22/----.php


第6回 中小企業CSRの最新事例 - 後編 - 

http://www.mng-ldr.com/column/2013/06/10/-----1.php



<著者プロフィール>


河内山信一(こうちやま しんいち)


■株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズ 代表取締役

■ファンドレイザー(日本ファンドレイジング協会 准認定ファンドレイザー)


≪経歴≫

1973年生まれ 東京都出身

1997年 東洋大学経済学部卒 

1997年から2007年 株式会社スタンダード通信社。営業職。大手精密機器メーカー、大手飲料メーカー、大手金融、政府外郭団体など数多く担当。主に企業の環境コミュニケーション担当として広告企画からイベント運営まで幅広く担当。2003年に大手精密機器メーカーのCSR事業準備室の立ち上げに参加、2005年愛知万博では政府外郭団体のパビリオンのイベント運営を担当など、環境やCSR周りを主に担当。 

2007年から2012年 株式会社電通。営業職。 大手総合家電メーカーの企業環境コミュニケーションなどを担当。 

2012年3月 電通を退社。

広告代理店スキルを持って社会貢献では何ができるかを考え、ファンドレイザーを目指す。 

2012年8月 第1回日本ファンドレイジング協会准認定ファンドレイザー試験に合格。 

2012年10月 株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズを設立。 NPOなど非営利団体のファンドレイジング(資金調達)を基本としたコンサルティングを主な事業とし、企業のCSR担当者やCRM検討されている担当者に「本業に繋がるCSR」のご提案やコンサルティングも行っています。

無料相談なども行っていますのでHPから気軽にお尋ね下さい。


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