コラムBOX

2012年10月29日

中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第2回 目的を与えられないタブレット端末は引き出しの中へ(2) 著者:田邉弘美

タブレット端末を企業で有効活用するための導入の仕方について専門家が解説

 

(1)コスト削減の事例

 

 

 タブレット端末を活用してペーパーレスによるコスト削減を実行しているのがソフトバンクです。

 

 

 孫社長は2012年3月期決算説明会において、「社内業務ペーパーゼロ宣言」を行いました。その後、社内や営業現場でのプレゼンテーションなどは全てタブレット端末などを活用してペーパーレス化を実施しています。



田邉氏コラム2図1.png

(ソフトバンクワールド2012 フォローアップセミナーより)

 

 

 その結果、紙代+印刷費用で一人当たり月1万円のコスト削減になっていると試算されています。

 

 

 同社は、ペーパーレスを実現するために、タブレット端末の導入に加えていくつかのルールを設けています。

 

 

 コピーを取るためには上長の許可が必要とし、業務内容によって社員にはモバイル端末のみを支給し普段はプリンターに接続させないなど、紙を使わない環境を作り出しています。私も仕事でご一緒することがありますが、会議はタブレット端末持参で資料は会議室備え付けのプロジェクターに投影して説明。必要な資料は後日、メールで電子データ共有する。といったスタイルをみんなが共有しています。

 

 

 紙のカタログはスキャナーを利用し電子データにしてPDF化、パワーポイントやEXCELなどの資料もPDFデータに変換することで、タブレット端末のアプリケーションを利用した閲覧環境を作ることが可能です。

 

 

(2)売り上げアップの事例

 

 

 動画を活用した事例をいくつかご紹介します。

 

 

 ある住宅販売会社では、ご購入されたお客さまの声を動画にして営業ツールとして活用しています。購入を決めたポイントや実際に住んでみた感想など、お客さまの声を動画で流すことで、現在検討されているお客さまはより購入について身近にイメージしやすくなり、セールスもやりやすくなったとの声を聞きます。

 

 

 また、結婚式のセレモニー商品を紹介するために動画を活用したり、商品の組み立て方法や操作説明などを動画にしてお見せすることで、購入後の不安を取り除くツールとしても活躍しています。

 

 

 IPadであれば、標準で搭載されているカメラアプリを使って簡単に動画撮影も可能です。

 

 

 カメラアプリを起動して、端末の右下にあるカメラ・ムービーのモードを切り替えて撮影するだけ。撮った映像はその場でYoutubeへの送信も可能です。

 

 

アプリの選定から入らない

 

 

 こうした達成すべき目的をはっきりと定めたあとで、現場に活用方法や場面を想像してもらい、声を吸い上げていくことをトライアル期間の目標とすべきです。

 

 

 そして、そのニーズをもとにどのようなアプリケーションを活用するかを企業・専門家の力を借りて選定していく。

 

 

 失敗例の多くは、利用するアプリの選定まで現場で判断させてしまうことが原因の一つになっています。

 

 

お客さまとの新たな関係作りも

 

 

 お見せするツールとしてだけでなく、お客さまにタブレット端末を渡して、カタログを自由にご覧いただき操作をしていただくことで、新しい会話や話題作りにも発展させることができます。タブレット端末を触ってみたいお客さまが多いのも事実です。

 

 

 ある営業会議では、PCのデモンストレーションでは絶対にキーボードを触ってくれなかった役員が、タブレット端末を渡したところ自分で操作しながら資料を見てくれた事例などもお聞きします。

 

 

 コスト削減、売り上げアップ、お客さまとの関係作りについてタブレット端末の活用をお話ししました。

 

 

 もしかしたら、タブレット端末についての知識がないと活用方法を考えることができないとお考えかもしれません。実際は、知識のない人から生まれる発想が斬新であることは珍しくありません。

 

 


 次回は、PCを触ったことのないセールスレディーたちのタブレット端末導入事例をお話ししたいと思います。


*記事内に記載した会社名、製品名などは各社の称号、商標、または登録商標です。

 

 

⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第3回 素人の声が大きなアイデアにつながる

 

 

(この記事は2012年10月29日公開のものです)

 

 

 


【記事執筆】

 田邉弘美

 (タクト情報システムズ株式会社 代表取締役、タブレット企業導入コンサルタント) 

 

 

 

【関連記事】

 ⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第1回 タブレットはパソコンよりも使いやすい?

 ⇒ 中小企業のための「失敗しないタブレット端末活用法」 第2回 目的を与えられないタブレット端末は引き出しの中へ(1)

 

 


━<著者プロフィール>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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田邉弘美(たなべ ひろみ)

 

■タクト情報システムズ株式会社 代表取締役
■タブレット企業導入コンサルタント

 

大手電機メーカーにてオフコン基本ソフトの開発/技術計算プロジェクトなどを担当。

1987年、タクト情報システムズ株式会社を設立。
企画からプロジェクト管理、運用支援まで幅広い分野をサポートする会社として、創業以来多くの企業へシステムを納入。高い技術力と豊富な知識で、クライアントさまの企業発展に貢献できるシステムづくりをモットーとしている。
2010年スマートタブレットの発売と同時に、自社製品の販売や結婚式場、生命保険、住宅業界などへの導入実績がある。これらの経験を元に、独自の「タブレット導入事例セミナー」「iPad活用セミナー」など、セミナー活動、導入コンサルタントとして活躍中。

 

 

タクト情報システムズ株式会社

 http://www.tact-info.co.jp/

 


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