実務BOX

2012年09月26日

社員のモチベーションを上げるイベント術(2) イベント準備のポイント「コンセプトの設定とスケジュール編」

モチベーションアップのための社内イベントの進め方

 

 イベントの準備というと、どうしても細々とした実務作業に追われがちですが、イベントを成功に導くためには押さえておくべきポイントと手順があります。
 今回は、イベントの開催前に決めておくべきことについて解説します。


コンセプトとテーマの設定

 
 イベントを企画するに当たって、まず決める必要があるのは「コンセプト」です。企業イベントは各企業が抱えている課題を解決し、目指すゴールと現在の溝を埋めるという目的を持って実施されなければなりません。コンセプトがしっかりと定まっていないと、ゴールへ向かう方向を誤ったり、途中で軸がぶれてしまったりと、着地点が全く変わってしまいます。そのため、まずどういった方向性で行うのか、イベント全体のコンセプトを決めておくことが重要となります。

 

 コンセプトはそのまま「何をしたいのか」という目的に直結する、すべての核になる部分です。イベント全体にかかわることですので、じっくりと時間をかけてコンセプトを固めることをおすすめします。コンセプトはすべての判断材料の基準になるうえ、選択肢が多いときに優先順位を付けやすくなります。
 
 イベントのコンセプト開発項目を参考に、実施背景や目的などを細かく洗い出してみましょう。
 
 イベントのコンセプト決定のためのチェック項目.xlsx

 

 

 コンセプトが決まったら、次にコンセプトをわかりやすいメッセージとして伝えるための「テーマ」を設定します。コンセプトを参加者に伝わりやすい「メッセージ・テーマ」とすることで、イベントの目的をわかりやすくします。
 すべてのプランやアイデアは、コンセプトとテーマとの一貫性があり、イベント企画の中で整合性が実現されてなくてはいけません。

 

 テーマは「シンプルにわかりやすく」をモットーに、イベントを通じて伝えたいメッセージをできるだけシンプルな言葉で明文化しましょう。
 「テーマをどう決めたらいいのかわからない」ということもあるかと思いますが、企業には毎年決められた年度テーマがあるものです。「今年は原点回帰」など、年度テーマに関するキーワードは社長や経営層から必ず発信されているはずなので、イベントのテーマにそうしたキーワードを絡めるのも一つの方法だといえます。

 


開催日時と場所の決め方

 
 コンセプトとテーマが決まったら、次は日程や会場の設定作業に入ります。イベントの目的や対象者について決まっていれば、必然的に時期や場所もある程度絞り込まれてきます。

 

 たとえば、社員間のコミュニケーションが目的の組織活性型イベントを実施する場合は、当然、社員がたくさん集まることが前提となり、社員が集まりやすい時期と場所はどのあたりかを考えます。また社員が参加しやすい、参加したいと思えるイベントは何かを考えると、「じゃあパーティー形式にしよう」といった意見も出て、自然と企画内容も決まってくるでしょう。このように、誰を呼ぶのか、全国いっせいにやるのか、各支社や部署単位でやるのかなど、イベントの趣旨に沿って時期や時間、規模などを決めていきます。

 

 イベントの形式や日時が絞り込まれたら、イベントにふさわしい会場の選定作業に入ります。たとえば、お客様や代理店向けのイベントならアクセスの良さは不可欠ですし、ファミリーイベントなら家族が足を運びやすい場所であることが条件となります。イベントの成否は、参加者に対していかにホスピタリティーを発揮できるかにかかっています。そのため、立地、会場の大きさ、施設のクオリティー、コストなどを加味しながら選定していく必要があります。

 


大切なのはきちんとしたスケジュール管理


 日時や場所を絞り込む一方で、いつどこで何をしておくべきか、大まかな運営スケジュールを立てます。

 

 必要な作業や手続きは、実施するイベントの規模や種類によって大きく異なります。前回で目的別にイベントの種類を分類しましたが、イベントを実施状況別で分類すると「必須イベント」「ほぼ必須イベント」「業績連動イベント」の3種類に分類できます。会場の予約時期は、このうちどれに当てはまるかによって変動しますので、注意が必要です。
 

 

 たとえば、株主総会や入社式、周年イベントといった、必ず行うことが決まっている「必須イベント」は、一年半から一年前には会場が決まっていることがほとんどです。株主総会の場合、定時株主総会終了時に同一会場にて翌年の予約をしてしまう場合が多く、100周年イベントなどは、2年前から企画がスタートしていることもあります。

 

 それとは対照的に、業績が黒字になったなど、資金に余裕があるときに行われるのが「業績連動イベント」です。この場合、イベントの2、3ヶ月前から企画が立ち上がる短期決戦型がほとんどです。

 

 最近の傾向としては、必須イベントの減少が見受けられます。有名企業の50周年や100周年となれば、通常は必須イベント扱いのはずですが、業績悪化や不況などの影響で派手なイベント開催を控える企業が増えているのです。たとえ大企業の100周年でも、多額の赤字を抱えているのでパーティーどころではない、というのが実情でしょう。その結果、本来は必須イベントですが、状況によっては中止する「ほぼ必須イベント」が急増しています。
 

 

 このような状況下で、イベントをやるかどうかは直前の判断になってしまい、本来は2年前から準備するような周年イベントを、3ヶ月間で準備するというケースも少なくありません。つまり、管理部門にある日突然「業績がなんとかなりそうなので、社員に向けて何かイベントをやってくれ」と降ってわいたような話を振られる可能性も十分あるということです。

 

 これからの管理部門には、あらゆるイベントにおいて、短期決戦型の運営を求められる機会が増えるかもしれないといえます。

 


グランドスケジュールを作る


 イベントを円滑に運営していくためには、必要な準備を必要な時期に確実にクリアしていくためのスケジュール管理がより重要になってきます。

 

 その際、会場選定や制作物、演出、当日の運営などは、専門業者に委託した方がノウハウもあり、社内でやるより結果的に予算が安く上がるといった場合もありえます。あくまで社員の手作りにこだわる風土の企業もありますが、外注するという選択肢も念頭に入れて、柔軟に対応できる体制にしておくといいでしょう。

 

 イベントにまつわる実務をこなすことも大切ですが、管理部門には社内体制を整えるという大切な役割があります。社内の仕組みだけは外部の業者には手が出せない部分です。たとえば、イベント直前に「支社から写真を借りたい」と思っても、急な以来だと相手に断られてしまう可能性も出てきます。特に短期決戦型のイベントではそういった事態が起きやすいので、いつまでに何を決めておくべきなのか、何人の人出が必要なのか、外注に任せられる部分とそうでない部分など、イベント全体を俯瞰できるグランドスケジュールを持っておくことが重要です。

 

 縦軸にチェック項目、横軸にスケジュールを入れて、いつまでに何が準備できればいいのかが一目でわかるチェックシートを作成するといいでしょう。3ヶ月で準備する場合、参加者300人までの場合など、タイプに合わせてある程度シートをパターン化しておくと、次回のイベント運営がよりスムーズになります。


 

参考書式:
 社内イベントのグランドスケジュール(見本).xlsx

 準備期間2ヶ月の短期イベント制作スケジュール(見本).xlsx

 イベントのコンセプト決定のためのチェック項目.xlsx

 

 

 

(この記事は2012年9月26日公開のものです)

 

 

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