実務BOX

2012年09月21日

慶弔見舞金規定作成のポイント

慶弔業務は総務部門の重要な業務です。慶弔見舞金規定の作成ついて解説します。

 

 ビジネス上のお付き合いでも、慶事や弔事というのは意外に多いものです。社員の結婚・出産や、取引先関係者の突然の訃報など、会社の内外を問わず慶事・弔事というのは、ビジネスの現場でもさまざまな形で起こりえます。そういったシーンで不適切な対応をしてしまうことのないよう、慶弔業務と慶弔マナーについて振り返ります。


慶弔に関するルールや基準はありますか?


一般的に、冠婚葬祭(結婚、出産、病気、葬儀など)は企業経営とは直結してはいないように思われます。しかし、企業がさまざまな取引先とのビジネスを通して経営活動を維持していると考えると、冠婚葬祭は人と人、企業と企業の関係を円滑にする重要な役割を担う、日本独自のビジネス慣習であるといえます。
 そして、この慣習を業務として企業内で守っているのが、総務部門です。社内・社外にかかわらず、企業として慶弔業務のルールや基準を明確にしておく必要があります。

 

<主な慶弔の種類>
 1. 結婚祝い(本人、本人の子供等)
 2. 出産祝い(本人、本人の配偶者等)
 3. 傷病の見舞い
 4. 災害の見舞い
 5. 死亡弔慰金(本人、本人の家族等)
 6. 落成、開店、開業祝い
 7. 上場祝い
 8. 創立記念祝い
 9. 昇進・就任祝い
 10.叙勲・褒章祝い など


社内と社外の慶弔ルール

 

慶弔業務は社員に対する社内と、取引先などの社外でそれぞれ管理します。

 

<社内の場合>

 

 社内の場合は、慶弔見舞金の種類や対象者、金額などの基準をまとめた「慶弔見舞金規定」を規定しておきます。
  慶弔見舞金の種類については、たとえば、未成年の社員がいる場合は、成人式を迎えたときのお祝いも考えられます。また、対象者も正社員以外に契約社員やアルバイトなども対象とするのか、家族は対象となるのかなどを規定の中に盛り込み、慶弔見舞金の支給額についてもきちんと定めておきます。
  一般には以下のような内容について記載します。

 

【慶弔見舞金支給規程に記載する主な項目】

 

 ①支給対象となる従業員
 ②慶弔見舞金の種類や支給対象となる事由
 ③慶弔見舞金の金額、計算方法
 ④手続の方法、添付すべき確認書類 等

 

 


 慶弔見舞金規定を作成していないという企業もあるかもしれませんが、規定のない企業でも結婚や葬儀などの際には慶弔見舞金を支給しているケースがほとんどではないでしょうか。ただ、明文化された規定がないと、慶事・弔事に直面した際に、過去の事例の帳簿を探したりして業務の手間が増えてしまったり、そのときどきによって支給金額が変わってしまったりするために、せっかく慶弔見舞金を支給したのに、社員が不満に思ってしまうといったことになりかねません。
 社員数が少ない企業では、慶弔の頻度も多くはないかもしれませんが、事務作業の簡素化、社員のモチベーション低下を防ぐためにも、慶弔見舞金規定は必要といえます。

 

 また、慶弔見舞金支給規程に従って支給された慶弔見舞金は福利厚生費となり、損金で処理できます(ただし、世間相場と著しくかけ離れた高額な金額の場合は、給与とみなされて課税されることもありますので、注意が必要です)。福利厚生費として扱うためには、支払い根拠や金額に対する合理性が要件となります。その意味でも必要な事柄をあらかじめ慶弔見舞金規定として定めておく必要があります。

 

 なお、以下のように無条件で性別のみにより支給の区別をつけることは男女雇用機会均等法違反となります。

(×)慶弔見舞金について、男性○万円、女性△万円、などと異なる基準を設ける
(×)結婚退職する女性に対して、結婚祝金、もしくは退職金を上積みして支給する

 

 

慶弔金図表.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<社外の場合>

 

 社外に関しても、社外向けの慶弔見舞金についての基準を定めておきます。取引先企業は付き合いの年数や取引額など、その重要度によっても金額が変わってくるため、社内ヒアリングなどを行い、取引企業のランク付けをしておくと金額を決める際の参考になります。ランク付けは「とても重要、重要、比較的重要」など、おおまかな分類でかまいません。

 

 しかし、経営者の個人的な付き合いなどの場合は、判断がつきにくいのも事実です。前例を参考にする、または経営者が判断するなど、さまざまなケースに対応できるよう記録しておくことが重要です。

 

 慶弔の記録は慶事と弔事に分け、慶事の場合は、社名、氏名(役職)、重要度ランク、担当部署、慶事の内容、支給額(品物の場合は金額)、祝電、祝花などを記録。弔事の場合は、社名、故人名、役職・氏名、故人との続柄、重要度ランク、担当部署、香典の金額、弔電、供花などを記録しておきます。これらの記録は、総務部門でしっかりと管理することが大切です。

 

 

【参考書式例】

 慶弔見舞金規程(見本).doc

 

 


(この記事は2012年9月21日公開のものです)

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