実務BOX

2012年09月10日

消防の査察(立ち入り検査)と企業の対応

消防査察への対応のポイント

 消防の査察(立ち入り検査)は、本来、企業の防火対象物の関係者が、自主的に履行すべき消防法令等の遵守状況に関して、法を執行する行政監督の立場からチェックし、当該法令等を履行させるために行われます。


消防査察とは

 

 今年春に起こった、宿泊客7名が死亡した広島県内のホテル火災。火災があったホテルは屋内消火栓の不適合など消防法違反や、耐火構造の不備など建築基準法に違反して営業をしており、こうした法令違反が被害を広げる一因となった可能性があるとされています。
法令を遵守するというコンプライアンとしての意味合いはもちろん、何より従業員の安全を確保するためにも、消防の査察への適切な対応ということが必要となってきます。

 

 大規模な事業所になると毎年、その他の事業所でも数年おきに、管轄の消防署による消防設備及び防火施設に関する査察が行われます。チェックされるポイントとしては、避難通路上に備品等が置いてあることによる避難障害やスプリンクラーの稼動範囲内での散水障害、熱感知器や煙感知機の未警戒区域の指摘、避難誘導灯の適切な目視の可否、その他にも、消火器の適切な配置や屋内消火栓の扉の開閉障害・ホースノズルの確認等が行われます。指摘された事項については、しかるべき時期に是正を行い、その結果を消防署へ報告します。


<立ち入り検査のポイント>

●避難障害
通路上、特に避難誘導灯が設置してある出入口に向かっている通路上に、段ボール箱や備品などが置いてあり、それらを避けながらでないと出入口に行けない場合、「避難障害」として改善を求められます。避難階段や踊り場、避難階段に通じる扉付近に物が置いてある場合は、量の多少にかかわらず、全て除去するように指摘されます。


 
●散水障害
後から施工して取り付けたパーテーションや、高さのあるキャビネット上に置いてある段ボール箱や書類等によって、消火用のスプリンクラーが十分に機能しない(それらに遮られて水が予定している場所に届かない)場合、「スプリンクラーの散水障害」として、それらの除去、ないしスプリンクラーの増設を求められます。パーテーションを設置する際は、その近辺にスプリンクラーがある場合、欄間を必ずあけて、水の動線を確保するようにします。


●煙感知機・熱感知器の未警戒区域
事務室の一角に完全に欄間を塞いだパーテーションにより、小部屋を作り、その小部屋の中の天井に煙感知機・熱感知器がない場合、その小部屋では火の手を感知できなくなってしまいます。このような場合、「煙感知機・熱感知器の未警戒区域」として、パーテーションの欄間を開けるか、もしくは小部屋に新たに感知器を設置するように改善を求められます。


●避難誘導灯の目視の可否
避難誘導灯はそれが設置されているフロアからは、どこからでも見えるようにしなければなりません。背の高いキャビネットやパーテーションがあったりして、一部の場所から避難誘導灯が見えなくなるような状態は指摘の対象となります。広いフロアだと、当然このような状態は発生してしまいますが、その場合は、誘導灯を増設し、その誘導灯を辿れば避難口に辿り着けるというように、文字通り"誘導"するようにします。

 

 

(この記事は2012年9月10日公開のものです)

 

 

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